ワーケーション成功の秘訣

2017.04.17
たちあげる

時間や場所にまったく拘束されない仕事はありません。一方、「場所」と「時間」の拘束がゆるやかなワーケーション(※)というワークスタイルは浸透してきました。そう。あなたも今、地方や海外のスタバに居て、iPhoneを片手にMacbookを開きながらこの記事を読んでいらっしゃるかもしれません。
さて、こちらでお話しすることは「場所や時間に拘束されない仕事とは何か?」というものではありません。そうではなく、既にeコマースを運営されていたり、準備されている方に向けて『ワーケーションが上手くいく5つのコツ』をお伝えすることが目的です。
具体的には、以下の5つのコツに絞ったお話をできればと思っております。

※ 場所や時間に拘束されないワークスタイル、それを最近はワーケーションといいます

 

ワーケーションが上手くいく5つのコツ

1. お金の動きを1円単位で予測する
2. 急成長市場へ自分の身を置く
3. 全てのタスクを言語化する
4. 情報の流れをコントロールする
5. 人生の豊かさのために時間を使う

 

まず、これらのお話をする前に個人的なお話を少しする必要がありそうです。
私はインターネット初期から主にeコマースの分野で、ビジネスのオーナーとプレイヤーを19年近く担っております。ゼロの状態からスタートアップを担い、上手くいったビジネスを売却したり、運営を続けたり、上手くいかなかったビジネスは閉鎖したり、そうしたことを繰り返してきました。思い返してみるとその間、場所や時間にあまり拘束されず、ノートPCをインターネットへと繋ぎ、自宅やカフェや旅先で仕事をしておりました。まさにワーケーションですね。もちろん、スモールビジネスのオーナーであると共にプレイヤーですから結果にコミットはしております。頭の中は24時間営業と言えるのかもしれません。でも、場所や時間に関しては融通が利くワークスタイルです。なぜ、こうしたことを続けられているのかを思い返した際、先にあげた『ワーケーションが上手くいく5つのコツ』として整理できました。以下、具体的にその内容をお話しできればと思います。

1. お金の動きを1円単位で予測する

まず、お金のために生きてはいけません。お金は人生を豊かにする道具の一つですが、目的ではないのです。自分でビジネスを始めると日々の資金繰りに追われ、気が付くとお金のことで頭の中が占められていることがあります。私自身もそういう時期がありました。そして、今でもそうした時間はあります。完全にゼロにはできませんが、ここでの問題は「お金をあなたのコントロール下へ置き、お金で頭の中が占められてしまう時間を最小にする」ことです。では、どうすれば良いのでしょう。
1つ目のコツが役に立ちます。それは『お金の動きを1円単位で予測する』ことです。ビジネス的な表現をすると「キャッシュフロー表」や「資金繰り表」を作りましょうというお話です。数字が苦手な方は難しく感じるかもしれませんが、ご安心ください。こうした言葉を知らない方には、デビッド・H.バングスJr.氏の『起業家のビジネスプラン』という書籍があります。
私は自分のビジネスをスタートした直後にこちらの本に出会いました。いまや古典なのでしょうが、平易で核心を捉えた名著です。この本にある「キャッシュフロー表」を参考にしつつ、最初は見よう見まねで良いのでご自身のキャッシュフロー表を作ってみてください。足し算、引き算のシンプルな世界であることに気付くはずです。
なお、同書にも記載がないポイントを補足しておきます。「キャッシュフロー表」と「資金繰り表」は別物です。「キャッシュフロー表」は約1年先まで、1ヶ月・1万円単位くらいでお金の動きを予測したものです。一方の「資金繰り表」は約3ヶ月先まで、1〜10日・1円単位でお金の動きを予測したものです。これらはお金をコントロール下へ置くには共に必要となりますが、「資金繰り表」について書籍等で目にする機会がなかったのでお伝えしておきます。
さて、ここで最も重要なポイントは「1円単位でお金をコントロール下へ置く」という意識を持つことです。人は暗闇を不安に思います。でも、暗闇に光が灯れば、不安は霧散するものです。未来のお金の動きも同様で、視覚化されると「お金に過不足があるのでは?」と悩む時間を大幅に減らせます。あなたは視覚化された現実へと向き合い「キャッシュフローを最適化するためにどうするか?」という点のみに頭を使えば良いのです。お金の悩みに人生を費やすことは極力止めましょう。その分、愉しさを感じられることに時間を振り向けるべきです。

2. 急成長市場へ自分の身を置く

次に、利益のお話です。
人生において多くの時間を割くビジネスを楽しく感じられるか否かは、幸福へつながる大切なポイントです。ビジネスの過程と結果、どちらにより楽しみを見い出すかは個人差があります。お客様とのコミュニケーションや日々の作業が楽しいという方もおり、利益を多く出すことが楽しいという方もおります。前者はオペレーション系、後者はマネジメント系のタイプですが、そもそも利益を出せないビジネスですと継続そのものができません。
どうすれば利益は出るのでしょう。利益というのは、「マーケティング」という活動の結果です。ここで、「マーケティング」という言葉をあまり知らないという方もご安心ください。そうした方には、神田昌典氏の『60分間・企業ダントツ化プロジェクト』という書籍をお薦めします。実に名著で、同書のメソッドであなたのビジネスを分析すれば、「利益を出す基本的なフォーマット」を網羅できます。
さて、これらを踏まえて私なりの利益を上げる際のコツを補足しておきます。
それは、『急成長市場へ自分の身を置く』ことです。いつの時代も、急成長市場というものが現れます。私の時代では、Yahoo!やGoogleのような検索エンジン、AmazonやCrowdWorksのようなマーケットプレイス、YoutubeやSpotifyのようなコンテンツプロバイダが現れました。こうした急成長を遂げた市場の黎明期、海の物とも山の物ともつかない時期にそこへ時間とお金を投資できた人は多くの利益を得られます。理由は単純で、同じ投資でも右肩上がりの市場に自分の身を置くと成長のレバレッジが効くからです。ただし、急成長市場は参入者が急激に増えます。身を置くだけではいけません。その中で秀でた存在になるにはオプティマイゼーション、つまり、最適化が必須となります。マーケティングの世界というのは基礎を身につけるのに多くの時間を費やします。その上、社会科学の分野ですから終わりはありません。常に生まれる急成長市場があることを知り、レバレッジとオプティマイゼーションの努力を続けましょう。それが、持続的な利益を約束します。そして、そこで生じた利益は結果的としてビジネスの楽しみを保障してくれます。

3. 全てのタスクを言語化する

3つ目は、コアのお話です。
あなたにしかできない仕事というのはほぼ存在しません。一つ一つの仕事の質、スピード、表現方法が人によって異なるだけです。結果、こうした差異から、最適な条件を持つ人がその仕事を担うことになります。ここでの問題は、オペレーション能力の高い人ほど「この仕事は自分にしかできない」と考え、タスクを無意識に抱え込む傾向が強いことです。こうした場合、日々の仕事に人生を捧げる人となります。
一方、マネジメント能力の高い人はオペレーションを誰かに振る傾向が強いものです。この場合、人件費や外注費を稼ぐため、同じく、人生を仕事に捧げる人となります。
困ったものですね。そういう訳で、よい落とし所を見つけないといけません。どうするのかというと、特にスタートアップ初期はオペレーションをあなたが担い、『全てのタスクを言語化する』ことです。
私のやり方を紹介すると、新規事業のスタートアップ時は全てのタスクを自分で担います。パートナーがいる際も同様です。なぜなら、ビジネスという「有機体」を維持・成長させるために自分は何をしているのか、何をする必要があるのかを身体的に理解できるからです。自ら手を動かすことでビジネスの「ツボ」も見つかるので、最小限の力で全体をコントロールできるようになります。具体的には、日、週、月、年ごとに分けて、タスクの全てを箇条書きにします。一つ残らずです。もちろん、最初から全てのタスクはわかりませんから、新しいタスクは逐次追加をしていきます。そして、そのリストの中で自分よりも上手くできる人がいそうな作業へタグ付けをします。タグの付いたタスクは将来、誰かにお願いするか、システム化を検討すべきものだからです。並行して、各タスクごとにマニュアルの作成を進めておきましょう。マニュアル化されたタスクは自分でなくてもできるものという訳です。
この分野の知見としては、マイケル・E.ガーバー氏の『はじめの一歩を踏み出そう』という書籍が有益です。こちらも古典ですが、名著です。さて、少し駆け足でしたが上記の作業をしっかりこなすと、あなたのコアが見えるようになります。恐らくそのタスクが今のあなたにとっての天分と言えるものです。あなたはマニュアル化が難しい、自分のコアのみへ注力すれば良いのです。

4. 情報の流れをコントロールする

4つ目は、合理化のお話です。
eコマースに関わる方でしたら、Line、Chatwork、Gmail、GoogleDrive、Salesforce、freee、MFという言葉をご存知の方も多いかもしれません。簡単に説明させていただきますと、これらは無償・有償で提供されているクラウドというツールで、使いこなすと生産性は大幅に上がります。時間、場所の拘束も大幅に緩和してくれますから、ワーケーションに必須のツールというわけです。
もうお分かりですね。4つ目のコツは『クラウドを使い合理化を徹底する』です。只、ここでのポイントは「最新のクラウドをたくさん使いこなす」というお話ではありません。重要なのはそこではなく、「コミュニケーションの設計」です。eコマースのオーナーやプレイヤーは顧客、取引先、従業員、外部委託先とのやり取りが日々発生します。コミュニケーションの方法は対面、電話、メール、チャットと様々ですが、場所の拘束が大きい「対面」と、時間の拘束が大きい「電話」でのコミュニケーションを極力減らすために頭に汗をかくべきです。もちろん、創造や感情が重視されるコミュニケーションにおいて、「対面」や「電話」が有益なケースもあります。それらを否定するものではありません。
一方、メール、チャットで充分なコミュニケーションもたくさんあるものです。最近の私の方法ですが、新しくeコマースをスタートする際は顧客から電話を受けないスタイルでコミュニケーションの設計をおこないます。全く受けないというのではなく、ウェブフォームから電話番号を送信いただき、後でこちらからかけ直すスタイルです。こうすることで電話でのリアルタイム性が緩和されるので、時間の拘束を大きく減らせます。取引先とのコミュニケーションの場合はもっとシンプルです。クラウドサービスのみを経由して情報交換、受発注、業務管理をおこなうので、時間や場所の拘束はほぼなくせます。対面や電話でコミュニケーションをしていると、それだけで仕事をしているように感じられるものです。でも、それは一世代前の仕事のやり方です。そうではなく、結果へとフォーカスしたコミュニケーションの設計をしっかりとおこない、クラウドをツールとして活用しましょう。それだけで、あなたは更に時間と場所の拘束をゆるやかにできるのです。

5. 人生の豊かさのために時間を使う

5つ目は、成長のお話です。
ワーケーションによって創造されたゆとりは何に振り向けるべきかを考えてみましょう。
私は以前、4つのコツによってできたゆとりをビジネスの「売上」や「利益」の拡大へ振り向けていました。ところが、こうした時間の使い方が次第にストレスになったのです。その理由を考える中、「会社数」と「年商」の関係を分析するとシンプルな結論が出ることがわかりました。少し定量的なお話となりますが、年商が1億円未満の会社というのは全体数の57.8%です。年商が1〜3億円になると22.4%へ、10〜30億円は4.5%へ、100〜300億円は0.6%へ、1,000億円以上は0.1%となります。次に、これらを偏差値に置き換えてみます。年商が1億円未満の比率は偏差値にすると52、10〜30億円は65、100〜300億円は73、1,000億円以上は81です。日本では中学生くらいから学力を偏差値で評価しますから、直感的にこの値の意味はわかると思います。つまり、仮にあなたが年商100億円を志向すると、それは偏差値73を目指すということになります。偏差値73というのは、100人中1人しか到達できない領域です。さらに言うと「年商」の偏差値は「学力」の偏差値より難易度は高いと考えられます。義務教育として仕方なく学力テストを受けるような人たちは「年商」を追求する世界では母数に入らないからです。
海千山千のビジネスオーナーやプレイヤーが母数の中、「売上」や「利益」の拡大を志向するとどうなるかは自明ですね。そう。必ず『時間』が犠牲になります。これは豊かな人生といえるのでしょうか。
学問のまなざしから見てみます。学問というのは人の営みの結晶として、人文科学、自然科学、社会科学の3分野によって構成されています。ビジネスはこの中のどこに分類されるのかはご存知でしょうか。実は、ビジネスは社会科学の一分野である、経済学、経営学へ主に属します。聡明なあなたならきっとお気づきですね。人の営みにおいてビジネスはわずかな領域のことでしかないのです。人の営みというのはもっと広くて深く、自然科学や人文科学、他の社会科学の分野にも及びます。ですから、ビジネスの狭い世界だけに生きることを決めてしまう前に立ち止まって考えてみましょう。そして、ワーケーションによってできたゆとりを少しでも良いので自然科学や人文科学、若しくは、社会科学の他の分野へ向けてみてください。あなたの人生はもっと彩りに満ちたものになるはずです。

以上で、『ワーケーションが上手くいく5つのコツ』のお話は終わりです。あとがき的に一点だけ補足しておきましょう。eコマースにおけるワーケーションというのは、一人では成立しません。モノやヒトが関わる世界ですから、そうした部分をどなたかに手伝っていただく必要があります。私は早い段階でワークプラスの井田社長にお会いできたのでワーケーションというワークスタイルを追求することができました。これをお読みいただいた方にもぜひ、そうしたパートナーと呼べる方と良好な関係をお作りいただきたいと願っております。もし、身近にそうした方がいらっしゃらないという方は一度、井田社長へご相談されるのも宜しいかと思います。きっと、親身に相談に乗ってくださることでしょう。
文/渡部智浩

1977年千葉生まれ。スモールビジネスの新規事業開発をオーナー兼プレイヤーとして主におこなう。最近の関心ごとはアイデンティティと住空間の統合。eビジネスをデジタルハリウッド大学院で、哲学を慶應義塾大学で、建築設計を中央工学校で学ぶ。

 

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